かとうゆうです。
今日は、私的にはすごくおもしろい!と思っているテーマです。
トマ・ピケティさんの『21世紀の資本』っていう大著読んだんです。
学術系なので、かなり歯ごたえありました(汗)
いろんなこと書いてますが、「あ!」と思ったんです。
「資本主義経済は、成熟期が”ふつう”の状態」
これ、私の感覚なんですけど、ひょっとすると日本経済に対する見方って、
・戦後復興期のものすごい成長と成功
・バブル崩壊で、経済低迷
・少子高齢化で、成長がほぼとまる
そんな感じでみている方多いのかな?と感じています。
でも、「ちがうな」と。
トマ・ピケティさんは長い資本主義の歴史を見る中で
「”成熟”や”飽和”が長く続くのが通常」と指摘しました。
そうしてみると、実は「今が”ふつう”」なんです。
高度成長期っていうのは、特異点ですので。
国土が壊滅。餓死者も出た。
世界的にも第2次大戦からの「復興期」です。
だから、ぐんぐん成長できた。
というか、日本は「しないと本当にまずい」状態でしたので。
で、バブル崩壊。
でも、経済の栄枯盛衰の中では「あるある」なことです。
そして、それを乗り越えることも「あるある」
さらにずっとブログで書いてますが「少子高齢化でも経済成長している国はある。週休3日、残業なしでも高い成長している企業がある」
なので「少子高齢化だから・・・」ではなく、本当のイノベーションを実行できていないから。
そんな風に感じています。
成熟して、飽和して、伸び悩む・・・これが資本主義の「ふつう」で「長い」期間。
つまり日本は、今「ふつう」の時期になっているということです。
考えてみると、これって当然といえば当然かも、と。
資本主義は「外部化」と「希少化」です。
資源やエネルギーを取り出す。労働と生活を分離する=外部化
それが珍しいもの、貴重なものにするほど儲かる=希少化
この運動がずーっと働きます。
当然、「珍しい」「貴重」というのは、多くのプレイヤーが参加していくので、「だんだん見つけにくいもの」になります。
(さらに今は、”外部化”がいきつくところまでいって、地球環境の破壊にまで。。)
なので「成熟とか飽和は、必然=ふつうの状態」というのが今の資本主義です。
そして興味深いのは、こういう「ふつうの状態」になると、資本主義が必ず引き起こすのが「格差の拡大」です。
飽和してますので、あとは「パイを奪い合う」形になるわけですね。
今、日本に「中流階級」は存在せず、「富めるもの」と「以外」の格差はどんどん開いています。
明確な格差社会です。
そして「格差は、社会的に弱い立場の人にダメージを与えます」
日本特有の現象として、7人にひとりの子供が相対的貧困という異常事態。
ひとり親の貧困、女性の非正規など、多くのしわ寄せが女性にいってしまっている。
格差の拡大は、「資本主義」からすると「当然の帰結」になります。
そして放っておくと、どんどん格差は拡大していきます。
なので「再分配」が大事です。
一番わかりやすいのが「政治」です。
相続税とか、年金。手当や支援という形で「再分配」する。
ところが、この「再分配」機能がうまく働いていない。
政治も「既得権益」そして「利害・圧力団体」が非常にパワフルです。
例えば年金制度。
このシミュレーションモデル、ご存じでしょうか?
人口=今後はどんどん増える
家庭=男性はサラリーマン、女性は専業主婦
もう、これ明らかに「おかしい」ですね。
人口増えるって、、、統計局が平気な顔で推測値出してるんです。。
子どもの数は減り、共働き家庭の方が多い、のに。
でも、これを前提に制度設計しています。
つまり「信頼性ゼロ」といってもいいくらい。
だから気が付くと「年金は少しずつ減らされ、支給年齢は引きあがる」
国民年金と厚生年金と大別2つありますけど。
基本的に「会社員=厚生年金」が手厚い。
つまり高度経済成長期にもっともがんばってほしい属性に手厚い。
だから「国民年金と厚生年金、その他すべて統合して、再設計」という考え方もあります。でも、もう経団連とか大反対状態です。
脱線ついでにいうと、財源がないってよくいわれますが、日本は「内国債」
だからデフォルト=破綻しようがないんです。
ギリシアもロシアも「外貨」で「国債」組んでいるから破綻リスクがあるわけです。
もちろん「お金じゃぶじゃぶ」だと、インフレが怖い。
なので本質は「財源がない」ではなく、「許容限度を超えるインフレにならないレベルの維持」が重要なんです。インフレ自体は、経済成長の原動力ですから。
国と家庭の財政は違うので、プライマリーバランス=収支安定って、概念はもともと国家にはあてはまらない。。
あ、、、やばい、また脱線しました(笑)
ま、何はともあれ「再分配」機能が弱いです。
こうしてみると「バブル崩壊も、少子高齢化」だけが、ここまで経済が低迷する理由とはいえないし、日本特有の克服すべき課題に取り組めていない様子がみえてきます。
さらに「経済の飽和は、ふつうのこと」ですので。。
と、、、すごく重い感じで話ましたが、私はまるっきりというか全然悲観してないですね。
単に「簡単・便利」ってだけではなくて、そもそもの生活や働き方、あり方をパラダイム・シフトさせてます。
オンライン会議とかセミナーなんてもう当たり前。
空間に縛られる働き方じゃなくても「売上はあげられる」
買い物も、バーチャルでふつうに買える。
値段の比較も簡単にできるから、安くていいものも探せる。
同様にスキルシェアとか動画やブログなど、どんどん個人で「副業」「本業」ができる。
もう少しすると「1社に所属する働き方」自体が見直されるだろうな、と。
ダニエル・ピンクが2000年代初頭に「フリーエージェントの未来」っていう本出しましたけど。
究極は「みんなフリーランス」
複数の企業、プロジェクトに所属。
個人サービスもなんでもできる。
そんな時代も近いだろうな、と。
そしてそうなると、実は「資本主義が前提にしていた”労働の外部化”」が成立しなくなります。
労働だけを切り離し、組織の歯車にあてはめて、固定的に働き、生産させる・・・こと自体が成立しなくなる。
”希少化”も、それを追いかけるために「規模の拡大と成長」を定義していましたが、「規模は無関係。個人でいくらでも自分らしく働き、お金を得られる」わけです。
さらに「資本の集め方」も変わってきてますね。
セキュリテとかReady Forとか。
「お金を集める=大資本家から=株主優遇と依存」しなくてもいい。
となると「株式上場」の意味自体が相対化されますし、株主配当金だけ上げ続けて、社員の給与を抑制する必要もない。
そんなこんな考えていくと、「今の資本主義自体がもはや成立しない時代」っていうのも、結構近いかも、ですね。
ちなみにイデオロギーではなく「思想家としてのマルクス」が再評価されてます。
斎藤幸平さんとか。
共産主義の根底のエッセンスは「みんなシアワセになること」、だから格差をなくし、社会の再分配機能を強めること、です。
(イデオロギーとしての共産主義はこれと違ったので破綻しましたけど)
一方、資本主義のエッセンスは「みんなで成長していくこと」ですね。
今は外部化と希少化、格差の拡大になっちゃってますけど。
「みんなシアワセになること」
「みんなで成長していくこと」
とどのつまりは、この2つの要素を体現できる「経済システム」が今求めらているということですね。
さらにいうと、それはもう「手の届く未来に待っている状態」
なので、やりたいことあればどんどんやってみましょう。
「稼ぐこと=プロ」という定義自体、「今の資本主義の定義」です。
ふつうの人が、ふつうにシェアできることたくさんあります。
みんながどんどんいろんなことをやっていくと、自然に資本主義のもっている「外部化」と「希少化」が相対化されていき、変容してきます。
みんなが「どんどんやりたいことをやっていく」
お菓子作りでも、アクセでも。アロマ、料理、作曲でも。ブログでも、動画でも、なんでも、です。
そのエネルギーは、必ず未来の扉を大きく開くと確信しています。
なので、楽しく、どんどん行動していきましょう!
それでは今日はこのへんでー!